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MAN-TLEのシャツと過ごす
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2016年に始まった〈マントル〉を、エアエイジでは今期から取り扱わせてもらっている。
〈マントル〉は、デザイナーのラーズ・ハリーとアイダ・キムの二人が手がける オーストラリアと日本を拠点としたメンズブランドだ。コンセプトは”HEAVY WEIGHT CLOTHING”。コレクションは高密度のコットンシャンブレーでつくられたシャツとトラウザーを中心に構成され、素材やパーツなどディテールにもこだわりがみられる。オーストラリアの風土を感じさせるカラーリングも、特徴的だ。

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ブランドの原点としてこだわっているのはなんといってもシャツだが、さて、〈マントル〉のシャツに手を通したことがある方は、どのくらいいるだろう。触れたことがある方だと、あのファブリック特有の パリっとした硬さをお分かりいただけると思う。オリジナルの生地は、日本の工場との密なやり取りで制作される、パラフィンワックスコートされた高密度のシャンブレーコットンだ。

着始めは はっきり言って、すごく硬い。本当に馴染むの?というような頑固さがある。生地もそうだけど、イメージは、時代に逆行している、ちょっとどんくさい感じ。
どんくさいというとマイナスにも聞こえるが、私たちは、そこを〈マントル〉一番の良さだと思っている。完成しきっていない素朴な感じは、決してトレンディではないが、だからこそ際立つ魅力を感じられるし、常に変化するファッションに流されない強さがある。
そんなシャツは、あえて綺麗めなコーディネートに、外しで合わせてみてほしい。足元はスニーカーではなく、ローファーなんかでもきっと可愛い。

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worn out という熟語がある。「使い古した」というような意味の言葉だ。そして反対の意味として worn in という言い方があるらしい。「使い込んだ」というふうに訳せる。ボロボロでもただの端切れにはならず、よりかっこいい雰囲気を出しているものが、そう呼べる。このシャツは、まさに worn in になり得る。色が褪せた様子が 決してみすぼらしくなく、むしろそこまでの人生を感じさせ、男としての深さを表現できるのだ。

だからぜひ、いま、手に取ってほしい。そして、途中飽きてもいいからずっとそばに置いて、着たい時期がルーティーンで回ってきたら、ヘビーに着てほしい。ベーシックなアイテムだから、きっと気分じゃなくなって手に取らない時期だってあるが、きっとそのくらいの距離感がちょうどいい。困ったときはしっかり頼れる、間違いのないそんな服。

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30代、40代のいまワードローブに迎え入れたシャツが、たとえば30年後、何度ものルーティーンを経て、またブームがやってくる。白髪交じりの髪の毛で、皺になった手で、すっかりクタっとなって色褪せた〈マントル〉のシャツをさっと羽織る…そんな日が来たら、やっぱり最高に、かっこいいと思うのだ。

そんなマントルの新作は、現在エアエイジで多数ご案内をしている。
ぜひ一度、羽織ってみていただきたい。

MAN-TLE HP

文:山田ルーナ






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