FEATURE
私たちのBATONER、ニットの向こう側に広がるもの。
  • BATONER
FEATURE vol.26 BATONER|バトナー


more variation fairを今月20日に控えているBATONERは、メイドインジャパンのニットブランド。エアエイジでの取り扱いは、今年4年目を迎えた。

実はBATONERは、このFEATUREというコーナーの初回に取り上げたブランドだ。BATONERを受け継ぐというコラムを公開したのが、ちょうど2年前。エアエイジでは現在もあの頃と変わらず、秋冬シーズンは特にショップの肝となるブランドとして、展開を続けている。

当時公開した記事は、「受け継ぐニット」という点にフォーカスした内容だった。伝統的な技法を、現代そして未来に受け継いでいくということと、よいものだからこそ、次の世代までも受け継ぐことができるという、ふたつの意味での「受け継ぐニット」。…そこで今回のFEATUREでは、さらに時を経た今だからこそわかる、あの記事の答え合わせをしてみたい。


ここでまず、前述の記事から一部抜粋しよう。


“〈バトナー〉のニットを着ると、「古きよき伝統的なニットを新しい解釈で」というブランドコンセプトに大いに納得できる。見た目に大きなインパクトはなく、いたってシンプルなザ・ニットだが、着て初めて シルエットが細部まで行き届いていることに気付き、それが極めて現代的でもあることに驚かされるのだ。もちろん、素材や作りの良さも素晴らしく、実際とてもあたたかい。

ただ このニットの魅力は、そういったファーストインプレッションに留まらない。まだ誰も袖を通していない時から感じる静かな意思表示は、1シーズン着ると、さらに強いものへと変化する。丈夫で、着るほどにより身体に馴染み、奥深さが増していく。本当の価値が後で分かってくるから、買ったときよりも2、3年後により着たいと思えるニットなのだ。”



買ったときよりも2、3年後に、より着たいと思えるニット。…筆者はそれを今一度確かめたく、エアエイジのスタッフにその着心地を聞き、実際に愛用しているニットをそれぞれ見せてもらった。


取り扱い当初から 数年間続けて着ているスタッフも多いBATONER。秋冬になるとショップ内での着用率も高く、その様子から着心地の良さと合わせやすさが窺えるが、BATONERのニットに関して実際に感想を尋ねると、不思議なことに、皆口を揃えてこう答える。

「BATONERのニットだけは、毎シーズン真っ先に着たいと思うんです」

たとえそのシーズンの最新作でなく、数年前のものでも、BATONERのニットには、毎シーズンドキドキするのだという。今年も着られる!と、衣替えのたびにワクワクするのだそうだ。毎シーズン新作を迎えるファッション業界において、そのような存在はもしかしたら珍しいのではないだろうか。

  • BATONER
|エアエイジスタッフ祖父江の「HARD TWIST WOOL」(着用年数2年)

  • BATONER
|エアエイジスタッフ大西の「MOHAIR NORDIC CREW NECK」(着用年数3年)


また、ある男性スタッフはこう続けた。

「BATONERは、服を買うのとは少し違う。服の向こう側というか、そのプロセスや、作り手の想いを買っているというのに近い気がします」

服の向こう側を感じることができるニット。私はここに、2年前に執筆した記事の答えを見た気がした。
この服の向こう側には、作り手の想いだけでなく、共感できる自分の等身大の感性や、あるいは理想とする姿さえ見出すことができる。受け継がれていくべきもの、受け継ぎたいものたる理由は、そんな面白さにあるのかもしれない。

  • BATONER
|エアエイジスタッフ松田の「HARD TWIST WOOL」(着用年数1年)

  • BATONER
|エアエイジスタッフ木村の「SUPER KID MOHAIR RIB GOWN CARDIGAN」(着用年数1年)


BATONERは、取り立てて流行りのデザインでもなく、かといってその質の良さだけに頼るでもない、絶妙なバランスを持っている。流行にとらわれないものづくりの姿勢が芯にあるからこそ、消耗品にもなり得るファッションという枠に留まらず、使い手と共に素晴らしい時間を重ねることができるのだ。
そして、着れば着るほどに、その向こう側に広がる魅力は大きくなっていく。少なくとも スタッフが愛用しているニットたちからは、そんな気配を感じられた。だからこそ、来年も再来年も着たいと、その先をますます楽しみに思えるのではないだろうか。

  • BATONER
|エアエイジスタッフ大西の「HARD TWIST WOOL V-NECK」(着用年数1年)


今回の「more variation fair」開催にあたり、エアエイジのスタッフは、そのコンセプトを即決していた。

「お客さまに、ニットを買っていただくのではなく、その先に広がる時間を提供したい」

そのため、BATONER監修のもとまとめた ご自宅でのケア方法も、ご購入いただいた方にきちんとお伝えさせていただく予定だ。ご自宅で手をかけてあげることで、愛着も湧き、その育っていく過程をより楽しんでいただけると考えている。

スタッフの経験に基づき、自信を持って店頭に並べられた、BATONERのニットたち。多くの種類が集まるイベント期間中、是非ご覧いただきたいと思う。

  • BATONER
|エアエイジスタッフ野村の「HARD TWIST WOOL V-NECK」(着用年数1年)


新品のニットを手にして、あなたはどんなことを感じるだろう。
言葉にできないような何かを感じたとしたら、それはもしかしたら、BATONERのニットが連れて行ってくれる、服の向こう側への予感かもしれない。


▶︎BATONER Website
▶︎FEATURE「BATONERを受け継ぐ」(過去記事)


文:山田ルーナ






前の記事へ